ストレスチェック メンタルヘルス

仕事のストレス原因ランキング

From:堀口寿人 金沢のオフィスより
最近は、ストレス、ストレスとよく聞くようになった。

個人的には「昔と比べて何がそんなに変わったのだろう?」と思わないでもないが、、

やっぱりストレスを感じている人は多い。実際にストレスによる精神疾患も増えている。

そんなわけで、今回は仕事のストレス原因を細かく調べてみた。仕事のストレス原因を調べるにあたり、一番信頼性が高いと思われる厚労省の労働安全衛生調査(平成29年)を参考にした。

1.仕事で強いストレスを感じている人の割合

厚労省の調査では、「強いストレスとなっていると感じる事柄がある」という項目に、はいい・いいえで答えさせている。

ご覧のように、結果は毎年だいたい6割くらいで安定して推移している。もしあなたの職場の人数が100人だとしたら、60人は強いストレスを感じている計算になる。

2.産業別ストレス度ランキング

 次は、どの産業がストレス度が一番強いか、ランキングで示してみた。これは、「仕事で強いストレスを感じていることがある」と回答した人の割合を示している。

最初に、「仕事で強いストレスを感じていることがある」と感じている人は全体の約6割で推移していると話した。ただ、産業別にみるとかなりバラツキがあるのが分かる。

例えば飲食サービス業は3割を切っているのに対して、印刷関連の仕事では約8割の人が強いストレスを感じているようだ。

3.仕事のストレス原因ランキング(全体編)

では、仕事で強いストレスを感じているその6割の人たちは、何によって強いストレスを感じているのか?その結果がこれだ。

ご覧のように、

  1. 仕事の質・量
  2. 仕事の失敗、責任発生等
  3. 対人関係(セクハラ・パワハラを含む)
  4. 役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)
  5. 会社の将来性
  6. 雇用の安定性
  7. 事故や災害の体験

というランキングになった。中でも仕事の質・量がダントツで多い。このことから、「長時間労働」に焦点を当ててストレス対策を進めるのは理にかなっているように思える。

ただ、厚労省の調査では「仕事の質・量」と質と量をまとめてしまっている。なので、質と量がそれぞれ、どれくらいストレスに起因しているかがこの調査だけでは分からない。

4.仕事のストレス原因ランキング(企業規模別編)

どの企業規模でも、「仕事の質・量」はストレス原因のナンバーワンだ。特に、企業規模が大きくなるほど、その傾向はよりハッキリしている。

逆に、「事故や災害の体験」が、一番下なのも企業規模を通じて共通している。まあ考えてみれば当たり前で、このストレス原因だけは単発でしか生じないからだ。他のストレス原因はほぼ毎日直面する事柄なのを考えるとうなづける。

他に言えることとしては、企業規模が大きくなるほど「会社の将来性」のランキングが低くなっている。まあ、これも予想できる内容だ。

それとは反対に、「役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)」は、企業規模が大きくなるほど高くなっている。会社規模が大きくなるほど、役割、地位、立ち位置などが頻繁に変化するということだろう。

5.仕事のストレス原因ランキング(事業所規模別編)

さっきは、企業全体の規模で分類していたが、事業所ごとの規模で分けるとどうなるかというのがこれ。傾向は企業規模別のときと比べてよく似ている。

やっぱりどの事業所規模でも、「仕事の質・量」がナンバーワンになっている。面白いのは、50~99人の規模で一番低くなっていることだ。この傾向は、企業規模で見たときもそうだった。

これはやっぱりストレスチェックの影響なのだろうか?でも、そうだとしたら、100~299人の規模からまた高くなっているのが説明できない。

この年は偶然そうなっただけかもしれないし、この統計からだけでは分からない。いずれにしても、大体の傾向はつかめるだろう。

6.仕事のストレス原因ランキング(雇用形態別編)

ここでも、「仕事の質・量」が圧勝だ。ただし、派遣労働者ではそうでもなさそうだ。「仕事の質・量」と同じくらい「雇用の安定性」がストレス原因になっているのが分かる。

ただ、面白いことに契約社員やパートタイムでも「雇用の安定性」はストレス原因として、それなりの割合を占めているものの、派遣労働者ほどではないようだ。

7.仕事のストレス原因ランキング(年齢別編)

年齢別見るとかなり20歳未満で顕著な特徴が出ている。彼らにとっては「仕事の質・量」はストレス原因としてはかなり小さいもので、それ以上に「仕事の失敗、責任発生」がとてもストレスだと感じているようだ。

面白いことに、「仕事の失敗、責任発生」は10代以降、一気に下がっていく。それとは逆に「仕事の質・量」は10代以降、一気に上がっていく。反比例しているようだ。

これはどう解釈すればいいのだろうか?

おそらく若いうちは、仕事に対して不慣れで経験も少ないから、仕事をうまくこなせる自信がないのだろう。だから未知なものに対する不安を強く感じるのだろう。逆に、若いうちは、それほど多くの仕事を任されるわけじゃない。だから仕事そのものに対するストレスは低いのではないか?

それが、年齢を重ねると状況が変わってくる。仕事に慣れてきて経験も蓄積されてくる。ある程度、不測の事態にも対応できるようになるだろう。失敗してもそれをリカバーできる知恵も身についているだろう。

ただ、それに伴ってより高度なより多くの仕事を任されるようになる。そうなると、「仕事の質・量」の比重が重くなていくのではないだろうか?

まあ、あくまで私がこの統計を見たときに感じた仮説にすぎないが。

また、40歳~60歳くらいの、ちょうど中間管理職まっさかりの時期に対人関係のストレスが高くなっているのも興味深い。

8.仕事のストレス原因ランキング(性別編)

男女ともに、「仕事の質・量」がストレス原因のトップだ。男女別にみると、こんな感じになる。

●男性の方が高いもの
「仕事の質・量」「仕事の失敗、責任」「役割・地位」「会社の将来性」

●女性の方が高いもの
「対人関係」「雇用の安定性」

この結果は、その性別の価値観を示しているようで興味深い。自分が大事だと思うものほどストレスの原因になっているように見える。

9.仕事のストレス原因ランキング(職種別編)

ここでも大体「仕事の質・量」がストレス原因のトップだ。ただ、その内容は職種によってかなり違うようだ。

例えば、輸送・機械運転従事者では、「事故や災害の体験」「会社の将来性」の割合が、他の職種よりかなり高くなっている。ちょっとしたミスが命に関わる職種であることを考えれば、当然と言えば当然だが。

それと、運搬・清掃・包装等従事者では、「仕事の質・量」の割合が他に比べて低い。仕事そのもの自体は、他の職種に比べると、ストレスの原因としての割合は小さい。でも逆に、「対人関係」「雇用の安定性」が他の職種より高くなっている。「対人関係」の割合が高いのは、個人的には意外な感じだ。

他には、建設・採掘従事者では「仕事の失敗、責任発生等」の割合が、他の職種より高くなっている。これは、ちょっとしたミスで莫大な損失が発生する可能性があるということだろう。

10.仕事のストレス原因ランキング(経験年数別編)

ここでも「仕事の質・量」がストレス原因のトップになっている。

経験年数別に見ても、あんまりはっきりした違いが見えないが、しいて言うなら、1年未満だろう。

意外なことに、ストレス原因としての対人関係のランキングは他よりも低い。経験年数が少ないほど人間関係に悩みそうなのに。

ただ、まだ経験が浅いうちは、まわりも大目に見てくれるということだろう。それで、慣れてきたころにまわりからの期待も高まっていくので、それに伴って関係がぎくしゃくしてくるのも分かる気がする。

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